皆さまはお口の中で、何か心配ごとがあると、歯科医院へ相談されていることと思います。歯科医院へいらした際は、どんな方も治療に入る前に、まずはお口の中をチェックすることから始まります。
図:お口の中の心配ごと
お口の中をチェックすることを、一般に歯科検診・検査などと呼ばれていますが、実際の歯科検診では、むし歯・歯周病のチェック、ブラッシング指導、歯垢・歯石の除去、歯科相談など、多くのことを行うことができます。
皆さまの歯とお口の健康をつくるためには、定期的な歯科検診が欠かせません。痛い、腫れたといった症状のお悩みから「たばこのヤニや茶渋を取りたい」「歯並びについて相談したい」といったご要望も、まずは歯科検診へご来院いただきご相談いただければと思っています。ぜひお気軽に歯科医院をご利用ください。
現在では、皆さまの予防意識も高まり、歯が痛い、しみるなど、歯やお口に症状や問題がなくても、歯と口腔内のチェックを行うことが一般的になりつつあります。お口の中を健康な状態で保つために、毎日の歯磨きなどといったセルフケア以外に、定期的な歯科検診、いわゆるプロのケアを受けることはとても大切です。
たとえば歯周病は、自覚症状がなくてもどんどん進行する歯ぐきの病気です。歯肉炎で歯ぐきが腫れてもほとんど痛みはなく、放置すると歯周病菌がさらに奥の歯周組織に侵入して、骨まで破壊しはじめます。歯周病の進行状況は、歯科医院でのレントゲン結果を受けなければ、診断することはできません。
皆様のお口の中は、胎児期、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、壮年期、高齢期とライフステージに応じて変化しています。例えば、2~3歳児までは乳歯が生えそろいます。6歳頃から12歳頃にかけては乳歯から永久歯へ生えかわります。成人になると、仕事などの忙しさから歯や歯ぐきのケアを怠りがちになる方が多くいます。
30歳代、40歳代では、歯ぐきからの出血や口臭といった歯周病による症状が認められる方が増えてきます。歯とお口を健康に保つためには、お口の中の変化にあわせて口腔ケアも見直しが必要です。定期検診の頻度は、お口の中の状態によっても異なりますが、3か月~6か月に1回の検診をおすすめしております。
歯科検診で行う、歯石や歯垢の除去を行うことを、一般的に歯のクリーニング・PMTCと呼んでいます。歯科医師や歯科衛生士が、専門の器具を使って歯の清掃を行います。自分では、なかなか磨くことができない歯と歯の間や、歯と歯茎の境目などを徹底的にクリーニングいたします。
図:PMTCのイメージ
歯のクリーニングでは、歯石を除去するスケーラーという専門の器具が使われます。超音波スケーラーというのは、鈎の先端が高速で振動するもので、歯と歯ぐきの間の溝・歯周ポケットに隠れている歯石も取り除くことができます。全ての歯を丁寧に清掃して、虫歯や歯周病になりにくいお口の環境を整えていきます。
当院は、厚生労働省の基準、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所「か強診」として診療を行っております。かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所「か強診」という制度は、虫歯や歯周病の重症化予防治療を、国民の皆様へ今よりも定着させることを目的として、2016年の保険改定で厚生労働省が制定した制度です。
決められた基準を満たす歯科医院は、厚生労働省から、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所「か強診」として認可を受けています。受診する皆さまにおいては、次のような保険適用の範囲が広がります。
1.毎月のフッ素塗布
虫歯予防のためフッ素塗布は、保険診療の場合、通常3か月に1度となりますが、「か強診」の医院では、毎月、保険診療の範囲でフッ素塗布を行うことができます。
2.毎月のメンテナンス
歯周病の治療が一旦完了した方への検査・メンテナンス(歯石取り・歯面清掃・PMTC)は、保険診療の場合、通常3か月に1度となります。しかし「か強診」の医院では、毎月、保険診療の範囲でメンテナンスを行うことができます。
当院では、虫歯や歯周病の一般的な治療から、予防にも積極的に取り組んでおります。皆さまの歯とお口を健康に保つため、歯科治療でも予防処置でも、安心して、そして気軽に歯科医院をご利用いただきたいと考えております。